クレジットカードにおける最大のネックは「リボ払い」の手数料です。リボ払いというのは、購入額や支払残高に関わらず、毎月一定の金額を支払っていくものですが、支払方法を間違えると、毎月手数料だけを支払うことになり、いつまでたっても元金が減らないという事態に陥ります。
そのため、『クレジットカードは一括払いが大原則』と言われています。
ただ、カードによってはリボ払いにすると特典を受けられるものがあるため、会員にしてみれば特典を受けられ、且つ手数料を取られないリボ払いが最良となります。
そんな都合の良いことができるのかというと、実はできるものがあります。その一つがJCBカードの「支払い名人」です。
支払い名人の特徴
支払い名人の特徴には以下の4つがあります。
1.設定した金額を越えた分のみリボ払い
2.リボ払いの初回手数料は無料
3.ショッピング保険が付帯
4.キャンペーンの抽選口数が2倍
1.設定した金額を越えた分のみリボ払い
支払い名人では「設定した金額を越えた分のみリボ払い」になっています。
ということは、設定した金額を超えなければ1回払いにできるということであり、手数料(年率15%)を支払わなくても良いということです。
また、設定額はJCBカードのWEBサイト「MyJCB」から自由に変更できるため、その月の家計状況によっては支払額を少なくすることも可能です。つまり、クレジットカードの支払いの管理が自分でコントロールできます。
2.リボ払いの初回手数料は無料
一般的なクレジットカードであると、初回請求分からリボ払いの手数料が発生しますが、支払い名人は初回請求分には手数料がかからず、2回目からリボ払い手数料が発生するようになっています。
従って、設定額を超えてリボ払いが発生したとしても、初回請求分の手数料はかかりません。
3.ショッピング保険が付帯
クレジットカードにはショッピング保険というサービスがあり、購入した商品が一定期間内に盗難に遭ったり、破損したりした場合はその損害額が保険から補償されます。
ただし、どのクレジットカードでも無条件でショッピング保険を付帯しているわけではありません。
JCBカードでは購入日から90日間が保障期間になっており、一般カードは海外での購入品のみ補償の対象になります(ゴールドカード以上は国内購入品も対象)。
ところが、支払い名人の登録をすると、国内で購入した商品に対してもショッピング保険が適用され、年間最高100万円まで損害を補償してもらえます。ただし、1回の事故に付き3,000円の自己負担がかかります。
4.キャンペーンの抽選口数が2倍
JCBでは会員向けに様々なキャンペーンが開催されますが、キャンペーンの抽選口数が2倍になります。
リボ払いの支払方式は?
リボ払いの支払方式は一般的に「元利定額リボルビング方式」になっており、毎月元金と利息を合計した額を一定にして支払っていきます。
ところが、支払い名人のリボ払いは「元金定額リボルビング方式」になっており、毎月元金を定額にして支払っていきます。
元金定額リボルビング方式は元金が一定で、その元金に利息額を加えた額が毎月の支払額です。
従って、元金が減っていく分利息額が減るため、支払回数が増すごとに月々の支払金額が少なくなっていきます。なお、初回の支払いには手数料がかからないため、元金のみの支払いとなります。
元金定額リボルビング方式のシミュレーション
例えば、6月に7万円の商品を購入し、元金を1万円とした場合の毎月の支払額は以下になります(手数料:実質年率15.0%)。
支払月 | 元金 | 手数料 | 支払額 |
---|---|---|---|
8/10 | 10,000円 | 0円 | 10,000円 |
9/10 | 10,000円 | 764円 | 10,764円 |
10/10 | 10,000 | 616円 | 10,616円 |
11/10 | 10,000円 | 509円 | 10,509円 |
12/10 | 10,000円 | 369円 | 10,369円 |
1/10 | 10,000円 | 254円 | 10,254円 |
2/10 | 10,000円 | 127円 | 10,127円 |
リボ払い手数料の合計額は2,639円となり、総支払額は72,639円です。
支払い名人の設定は毎月必要?
支払い名人は一度設定すると解除するまで継続されるため、毎月設定する必要はありません。
なお、設定変更における締切時間は支払日の5営業日前の午後7時55分です(一部の金融機関を除く)。
リボ払いの設定金額
支払い名人のメリットは支払い金額の管理ができるということです。通常は、リボ払いの最低支払額を高く設定し、毎月一括払いで支払う形にして手数料をかからないようにします。
そして、出費がかさんだ月は設定額を低くし、一括払いの金額を少なくして支払いを抑えます。
例えば、毎月カード利用で平均5万円の請求が予定される場合、リボ払いの最低支払額を6万円に設定しておけば、請求額全額が一括払いになるため手数料は0円です。
極端な話、最低支払額を利用限度額に設定しておけば、リボ払いの発生することはあり得ません。
ただ、急な出費で3万円しか支払いたくない場合は、最低支払額を3万円にすれば、残額がリボ払いに回され当月の支払いは3万円で済みます。
翌月において、当月利用分が5万円だとすると、残額の2万円が足されて7万円の請求になりますが、リボ払いの最低支払額を7万円に上げれば、7万円が一括払いになり、手数料がかかりません。
クレジットカードの支払いの原則は一括払いです。ただ、リボ払いの登録で大きなメリットを得られるのであれば、むやみに拒否する必要はありませんし、キャッシングでおすすめのようなカードローンよりもクレジットカードで現金を借りた方がお得(金利が安い等)な場合は、そうするべきでしょう。
ただし、その場合はリボ払いの自由な設定によって一括払いにすることが可能であることが前提です。一括払いが利用できないリボ払いは絶対に登録すべきではありません。
なお、リボ払いの設定額を変更した場合は忘れずにメモしておくことが肝心です。
ちなみに、三井住友カードのリボ払いである「マイ・ペイすリボ」も支払い名人と同様な機能を持っています。